地域おこし協力隊の活動費に関して、事前に心得ておかないといけない重要な点がある。

それは、活動費も他の行政の予算同様「公金」であるということである。

地域おこし協力隊の活動は多岐に渡り、地域によって様々な活動が行われている。

協力隊自身が農業を始めたり、道の駅で販売する特産品を開発したり、実に多種多様である。

また、協力隊のOBがその地域に定住するにあたりカフェやゲストハウスなどを経営するに至ったケースもある。

活動内容から任期終了後の生活スタイルまで実にバライティに富んでいるのだ。

こうした状況はメディアを通じて徐々に世間に浸透しており、「地域おこし協力隊ならいろんな事に挑戦できる」と考えている人も多くなってきた。

このイメージ自体は決して間違いではないが、地域おこし協力隊の活動費が「公金」である以上、それを公の利益につながらないことに使う事はできない。

例えば、協力隊が米農業を行う場合、素直に稲代を協力隊の活動費から計上するのは難しいと言える。

何故なら、育てた米を売って利益を得るのが協力隊本人であるからだ。

こうした場合に公金を使うことは難しい。

しかし、厳密に言うと不可能ではない。

例えば、その米を販売目的ではなく、新種開発の為であったり、コミュニティへの食事補助のような目的であれば公金で稲を購入できる可能性が充分にある。

実際、香川県の地域おこし協力隊の中には、品種の研究の為にそばの苗を活動費から捻出し、栽培している方もいる。

その方の場合、活動中に栽培したそばは販売することはせずに、地域の中で消費している。

そうして培ったノウハウで3年後の事業化を目標にしているのだ。

こうした公金の使用可否については、自治体担当者の理解度による部分が非常に大きい。

公金を使う為の「理由づけ」について、行政の専門家でもある担当者が一緒に知恵を絞って、上手い抜け道を考えてくれる場合は比較的幅広い用途で使用することが可能だが、そうではない場合は、ただ「その活動には予算は使えません」と一蹴されてしまうケースもある。

また、活動期間中にカフェやゲストハウスを経営している協力隊もいるが、ほとんどの場合は、プライベートの時間に実施している。

つまり、公金を使わず、自らが出資して経営しているのだ。この場合は自分で出資しているのだから、自由に利益を出すことができる。

「もっと自由に予算が使えると思っていたのに。。。」

協力隊の中で良く聞く言葉、いわば地域おこし協力隊あるあるである。

活動費が公金であり、公共の利益に貢献できることにしか使いにくいという性質を理解していれば、こうしたギャップはもう少し小さくできるはずである。

 

地域おこし協力隊を志す方へのポイント

①地域おこし協力隊の活動費はあくまで「公金」と心得よ!

何にでも使える訳ではない。公共の利益になることが大前提となる

②ただし、テストマーケティングや品種改良といった任期後の収益土台づくりには使えることもある。柔軟な発想と担当者との綿密なコミュニケーションにより自身の活動にしっかりと予算がつくようにしていきたい

 

地域おこし協力隊を導入予定の自治体の方へのポイント

①事前にしっかり公金の性質についてレクチャーし、地域おこし協力隊の誤解をなるべく減らすようにしたい

②地域おこし協力隊からの予算計上提案が、公金の使用用途としては一見不適切に見えても、しっかりと地域おこし協力隊の想いに向き合い、他のアプローチで実現することが出来ないか一緒に頭を悩ませることが必要である