これまで地域おこし協力隊の任用形態は、主に「特別職」「一般職」「雇用関係無し」の3つに別れていたが、地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律(平成29年法律第29号)の改定により、「特別職」での任用が難しくなった。

これにより、地域おこし協力隊の任用形態は「一般職」「雇用関係無し」の2パターンに別れることになる(上記法律が施行される平成32年4月1日以降)。

雇用関係の有無

上記2種類の任用形態の大きな違いは「雇用関係の有無」。

行政と協力隊の間に雇用関係が有ると無いとでは何が違うのか、以下にまとめる。

1:地公法の適用

これまで存在していた「特別職」については地公法の適用はなかったが、法改正により、雇用関係がある全ての職員に地公法が適用されることになった。

雇用関係が有る「一般職」については地公法が適用されるため、他の行政職員同様、順守する必要がある。

一方、「雇用関係無し」の場合、地域おこし協力隊は個人事業主(あるいは民間企業所属)となるため、地公法の適用は無い。

2:年金・保険の適用

雇用関係が有る「一般職」については、厚生年金、社会保険、雇用保険等は活動費から賄われる。

一方、「雇用関係無し」の場合は、国民健康保険、国民年金に加入し全額自己負担で支払う必要がある。

3:副業

「一般職」のほとんどは「会計年度任用職員」として任用される。

さらに会計年度任用職員は、「フルタイム」と「パートタイム」に分けられ、「パートタイム」の職員については副業が認められている。

「フルタイム」と「パートタイム」の違いは次の通り。

フルタイム:就業時間が週38時間45分
パートタイム:就業時間が週38時間45分未満

「フルタイム」の場合でも地公法第38 条を根拠に副業が可能だが、首長の許可制であるため、副業内容等々を事前に担当者に相談する必要がある。

「雇用関係無し」の場合は、副業可能。

 

以上が、地域おこし協力隊の任用形態とそれによる違い。

地域おこし協力隊と行政、お互いにコミュニケーションをきちんと取って、それぞれの目標達成の為に最適な形態を選択することが大切。

 

地域おこし協力隊を志す方へのポイント

①自分の活動したい地域がどの雇用形態で募集をしているのかを必ず事前に確認するようにしたい。それと同時に「副業」が可能かどうかも確認しておきたい。

「副業」ができない地域で、3年後に生業を地域内で見つけるのは相当難しいと言えるので、「副業OK」は地域を選ぶうえで、必須項目として考えても良い

地域おこし協力隊を導入予定の自治体の方へのポイント

①地域課題や取り組むミッションに応じて、雇用形態を吟味する必要がある。

また、仮に導入後に雇用形態によって活動に障壁があらわれてしまった場合は、次年度以降に雇用形態から見直すなど柔軟に対応する必要がある。

②地域おこし協力隊の定住を考慮するうえで、「副業OK」は欠かせない要素と言っても良い。したがって、募集段階でその条件を示すことで、将来その地域に定住してくれる可能性が高い有望な人材を確保することができるといえる。