地域おこし協力隊の身分は、一般的に次の三つに分かれている。

①特別職②一般職③雇用関係無しだ。

それぞれを簡単に説明すると、

 

①特別職

非常勤の嘱託職員がこれにあたる。

分かりやすくいうと「特定のミッションのために雇われた一時的な職員」

 

②一般職

常勤の嘱託職員がこれにあたり、通常の職員とほぼ同等の扱いがされる。

分かりやすくいうと「通常の事務のために雇われたアルバイト職員」

 

③雇用関係を持たない

これは読んで字のごとく。市町村との雇用関係を持たないもの

首長から委嘱を受けて地域の仕事を行う。

 

では、こうした身分の違いで、地域おこし協力隊の待遇はどのように変わってくるのだろうか。

まず大きな違いとして挙げられるのが、保険・年金についての対応だ。

①特別職と②一般職の場合、労働時間・日数等の条件をクリアすれば、健康保険・厚生年金保険に加入でき、労災や雇用保険も適用となるが、これに対して③雇用関係無しは、国民健康保険・国民年金となり、労災や雇用保険も適用外となる。

次の違いは副業についてである。

副業は①特別職及び③雇用関係無しに許可されている。

①特別職(非常勤の嘱託職員)は地方公務員法の服務規程が適用されないため、副業は法的には問題がない。

②一般職については他の職員と同様、服務規程が適用となるため、原則的には副業をすることができない。

以上の2つが地域おこし協力隊の身分の違いから生じる待遇の違いだが、特に副業については事前の注意が必要である。

 

第三条  地方公務員(地方公共団体及び特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第二項 に規定する特定地方独立行政法人をいう。以下同じ。)のすべての公務員をいう。以下同じ。)の職は、一般職と特別職とに分ける。

 一般職は、特別職に属する職以外の一切の職とする。

 特別職は、次に掲げる職とする。

 臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員及びこれらの者に準ずる者の職

第四条  この法律の規定は、一般職に属するすべての地方公務員(以下「職員」という。)に適用する。

 この法律の規定は、法律に特別の定がある場合を除く外、特別職に属する地方公務員には適用しない。

 

地域おこし協力隊の狙いとして、隊員を起爆剤に地域が元気になるというものの他に、隊員自身が地域に定着し、地域の一員を担っていくというものがある。

隊員が地域に定着しようと考えた場合、隊員の任期が終了したあとの生業づくりは不可欠な要素。

そして、一口に生業づくりといっても、ただでさえ仕事が少ない地方では自分、あるいは家族を養っていくための食い扶持を見つけることは簡単なことではない。

そうした意味においても、隊員期間中を準備期間と捉え、自分の生業づくりを進めていくのが望ましいと言える。

任期後に起業するにしても、就職するにしても、準備期間中に様々な生業づくりにチャレンジして、任期後の地域への定着をスムーズにしておきたいものだ。

そうした意味においても、「地域で副業ができるかどうか」という項目は、これから地域おこし協力隊を志望する人にとって大切な要素となりうる。

したがって、受け入れる地域側にとっても、熱意のあって地域に定着してくれる人材を確保するためのポイントにもなりうる。

 

地域おこし協力隊を志す方へのポイント

①自分の活動したい地域がどの雇用形態で募集をしているのかを必ず事前に確認するようにしたい。それと同時に「副業」が可能かどうかも確認しておきたい。

「副業」ができない地域で、3年後に生業を地域内で見つけるのは相当難しいと言えるので、「副業OK」は地域を選ぶうえで、必須項目として考えても良いだろう

 

地域おこし協力隊を導入予定の自治体の方へのポイント

①地域課題や取り組むミッションに応じて、雇用形態を吟味する必要がある。

また、仮に導入後に雇用形態によって活動に障壁があらわれてしまった場合は、次年度以降に雇用形態から見直すなど柔軟に対応する必要がある。

どのミッションならどの雇用形態が良いのか確認

 

②地域おこし協力隊の定住を考慮するうえで、「副業OK」は欠かせない要素と言っても良い。したがって、募集段階でその条件を示すことで、将来その地域に定住してくれる可能性が高い有望な人材を確保することができるといえる。